慢性疾患の患児を持つ家族へのアンケートを実施して
 (平成13年3月に開催した活動報告会での発表原稿より)
                                             運営委員 仙波 弘康
難病をもつ子どもをもつ家族が我が家のようにくつろげ安らげる滞在施設を愛媛にも作り、病気に立ち向かう家族を支援しようと、「愛媛ファミリーハウスを作る会」が昨年の5月に発足し、それ以降の経緯については先の各役員の報告等のとおりであります。
このアンケートはお子様が入院や通院されたときのご家族の皆様の負担や不便だった点など、病気のお子様を持つご家族の現状を明らかにし、ファミリーハウスの建設・運営のために、行政に働きかける参考資料にすべく実施されました。
実施 : 平成13年9月〜10月(2ヶ月の限定で実施されました)
対象 : 慢性疾患で入院あるいは外来通院中の患児をお持ちのご家族であります
場所 : 実施病院は、松山近郊の基幹病院であります「松山市民病院・愛媛県立中央病院・愛媛大学付属病院・松山赤十字病院・国立がんセンター」の5つの病院であります。
その結果、121人の方からご回答を戴きました。
このアンケートを実施するにあたり、いろいろな事項をお尋ねしたのでありますが、今回は具体的に自由に書いてもらったものをご紹介させていただきたく思います。
●居住地の内訳
では、最初にアンケート対象の方々の居住地の内訳から説明させていただきます
東予地方12人/中予地方(松山とその周辺は89人)/南予地方15人であり、その他2人(神奈川・高知)での県外の方からもご回答をいただいております。

次に通院時間についてですが、30分以内とお答えされた方が半数以上で62人いらっしゃいました。30分〜1時間以内の方が29人、続いて1時間〜2時間と答えた方が20人、2時間以上と答えた方が6名と通院時間でもかなりの時間を要するご家族もいらっしゃることがお分かり戴けると思います。
●入院・通院で困ったこと
次に、小児病棟に入院中の患児のご家族の抱える入院・通院で困ったことに対してのアンケート結果として大きく7つの問題点があげられました。
 問題点(1) まず入浴の問題であります。次のような声がございました・・・
         「ゆっくりお風呂に入りたかったが、子どもを置いていくのが心配でなかなか自宅に
          帰れず我慢することが多かった。⇒子どもが入浴できないと親も入浴できない。」
         (夏場はつらい・・・冬場は近所の銭湯利用であるため風邪をひいた)
         などの声がありました。
 問題点(2) 次にトイレの問題では次のような声がございました
         「ベッドの柵が低く、子どもが寝ているとき以外離れることが出来ずトイレもままなら
          なかった」
         「トイレになかなか行けず、膀胱炎になりつらかった」
          などの声がございました。
 問題点(3) 次に食事の問題であります。次のような声がありました
         「付き添いの弁当も誰かに買ってきてもらわないといけなかった」
         「お弁当を買うと子どもが欲しがり、「ダメ」と言って食べさせないのも可愛そうで
          、親の食事もレトルト・カップメンなどになってしまう」
          などの声がありました。
 問題点(4) 次に睡眠の問題では次のような声がございました。
         「子どもと同じベッドに寝るのは寝返りも出来ずに苦しかった」
         「夜、寝られない日が多かった」
         「病院ではほとんど眠れず、家に帰っても家事に追われ休めなかった」
          などの声がありました。
 問題点(5) 次に家事の問題ですが、次のような声がありました。
         「兄弟を父親に任せきりにしてしまう」
          などの声がありました。
 問題点(6) 次にプライバシーの問題については次のような声がありました。
         「子どもが夜泣きをして同室の方に気を使った」
         「夜泣きのために付き添いの体力がもたず風邪をひいて体力的・精神的に
          ストレスが溜まった」
          などの声がありました。
 問題点(7) 次に相談相手の問題ですが、次のような声がありました。
         「副作用のつらさや病気のことを話し合ったり支えあったりできる仲間が欲しい」
         「付き添いのための相談窓口がほしい」
          などの声がありました。
以上の声から付き添う家族と家を守る家族の負担は大きく、精神的ストレスは計り知れないものであり、これらの問題を解決するようにしていくための方策について、わが会としても真摯に取り組んでいく必要性を感じます。
●NICUに入院中のご家族
次にNICU(新生児集中治療室)に入院中のご家族からの声として次のようなものがございました
         「家が遠いので毎日面会に行けない」
         「病院に通う為に近くに住もうと思ったが、良い物件がなくホテルを借りた」
         といった声がございました。
         赤ちゃんののそばに居てあげられない不安の中で、面会に通うのが大変
         であったりアパートやホテルを利用せざるを得なかったりと、体力的・経済的
         にも負担を強いられている状況が伺い知れます。
●一般小児病棟とNICUとで異なっていた家族の悩み
小児病棟に入院中のお子さんをお持ちのご家族の場合は24時間付き添えますが、体力的・精神的ストレスを抱えている悩みがあり、一方でNICUに入院中のお子さんをお持ちのご家族の場合は、面会が限定されているため24時間赤ちゃんのそばにいられないという不安や経済的な負担を強いられるというように、それぞれの立場で少し異なった悩みがあることがお分かりいただけたかと思います。
このような結果から、愛媛においては、ファミリーハウスの需要が高いのはNICUに入院中のお子さんをお持ちのご家族であることが推測されました。そして、実際にセカンドハウスの利用状況からも、そのことが証明されました。
最後に、このアンケートを実施するにあたり小児の入院によって起こる問題を整理し、改めて患児やその家族が置かれている状況の厳しさを痛感しました。そのような状況にかかわらず患児の家族を含めたケアの必要性がまだ不十分で世論に認識されていないように思われます。患児や家族の直面している状況を踏まえてファミリーハウスのの必要性を訴え患児が子どもとして成長していくにふさわしい環境の提供、また患児の家族への援助を充実させていくことが重要な課題であり、わが会の目標としていくべきであると私は考えております。そのためにはファミリーハウスを設立し、その機能を維持していくためにボランティアや資金の確保が必要であることは言うまでもありません。
入院中のお子さんをもつ家族の声を大事にして、今後の会の活動に活かしていきたいと思います。
以上でわたくしの報告を終わらせていただきたいと思います。
運営委員 仙波 弘康